私の依頼主さん。
「ちょっと良いかな」


私に声をかけたのは、長身の彼。


「君、接客苦手なの?」

「はい…。
申し訳ございません」


彼の質問に申し訳なくなりながら答えると、彼は苦笑した。


「…残念」

「……」


本当に申し訳なくて、言葉が出ない。

そんなときだった。


――ドンッ。

背中に鈍い痛みを感じた。


『申し訳ありません。
こちらの者は、教育がなっておらず身体に教えなければ理解できないのです』


野太い声がした。

前には長身の彼の戸惑いの顔。


『早く土下座しろ!』

「―っ!!」


宗田さんの声に体がビクッとなってしまったが、すぐ長身の彼に謝った。


「申し訳ありません」

『もっと謝れ!』

――ドスッ。

「申し訳ありません」

――ドスッ。

――――……


何度殴られたかわからない。

もう、私は顔を上げる気力をなくしそうだった。
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