私の依頼主さん。

忠実に従います

依頼主さんが落ち着いたところで、私は依頼主さんと距離を置いて、また横に座らせてもらった。


「あの…」

「何?」


依頼主さんは、何もなかったように涼しげに微笑む。


「私のすべき仕事は、何ですか?」


そう。
私の仕事がわからないから、ちゃんと働けない。


「あぁ。
まぁ基本的に、自分の事は自分でするからゆっくりしてていいよ」

「…はい」

「でも、頼んだらよろしくね。
命令っぽくなる事もきちんと聞いて欲しい」

「はい」

「あと、これだけは絶対」


依頼主さんは、急に真剣な声つきになる。



「側にいなくてもいいから、なるべく近くにいて」


そう言いながら、依頼主さんは俯いた。

恥ずかしいとか、そんな理由で俯いたわけじゃないのはわかる。

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