私の依頼主さん。
田村様は、見学会の度にやってきて、複数買いしていく。

田村様に買われた女の子達はどうなっているのか、誰も知らない。


「ふぅ…」

私も静かに息を吐き出した。


正直、私は誰に買われても良いと思う。


身体的や精神的な苦しさは嫌だけど、私には選ぶ権利もない。


少しでも高く買ってくれる技術を身につけて、依頼主に買われるのを待つしかない。



もう少しで、午後の授業が始まる。


私は全員分の食器を集め、片付けを始めた。


そろそろ手荒れがひどくなってきてしまった。


寝る前あの人の所に行って、ハンドクリームを貰おうかな。


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