異本 殺生石
「あ!」
フーちゃんが正面の大きなパネルを見て驚愕の声を上げた。陽菜もつられて窓の代わりのそのパネルを見る。そこには、フーちゃんの物と全く同じ形の物体がすぐ横にぴったりくっつくように飛んでいた。
正面のパネルの映し出す位置が横の景色に切り替えられた。細長いロケットのような形で、後部には9本の細長い板のような物がまっすぐ真後ろに向けて円形に並んで突き出している。明らかにフーちゃんの物と同じタイムマシンだ。色だけが向こうは金属的な光沢のある青、メタリックブルーというのだろうか、そこだけが違っていた。
そのもう一台のタイムマシンの横腹がぐっとこちらに近づいて来た。次の瞬間、陽菜たちが乗っている操縦席全体が激しく揺さぶられた。さっきからの衝撃は、このタイムマシンが横から体当たりをかけてきていたせいだったのだ。
「フーちゃん!あれは何よ?」
また襲ってきた振動の直後、後部座席に座っている陽菜は前の座席の背に両手でしがみつきながら叫んだ。フーちゃんが顔面蒼白になって答える。
「あたしを捕まえに来た追手だわ!あの収容所へ連れ戻すために!」
フーちゃんはさらに素早く、そして若干乱暴に操縦計器を動かした。そして正面の大型パネルに映る光景がまばゆい光だけになった。今までとは比べ物にならない、操縦席全体が渦巻き状に振り回されるような感覚が4人を襲い、そして陽菜は意識を失った。
フーちゃんが正面の大きなパネルを見て驚愕の声を上げた。陽菜もつられて窓の代わりのそのパネルを見る。そこには、フーちゃんの物と全く同じ形の物体がすぐ横にぴったりくっつくように飛んでいた。
正面のパネルの映し出す位置が横の景色に切り替えられた。細長いロケットのような形で、後部には9本の細長い板のような物がまっすぐ真後ろに向けて円形に並んで突き出している。明らかにフーちゃんの物と同じタイムマシンだ。色だけが向こうは金属的な光沢のある青、メタリックブルーというのだろうか、そこだけが違っていた。
そのもう一台のタイムマシンの横腹がぐっとこちらに近づいて来た。次の瞬間、陽菜たちが乗っている操縦席全体が激しく揺さぶられた。さっきからの衝撃は、このタイムマシンが横から体当たりをかけてきていたせいだったのだ。
「フーちゃん!あれは何よ?」
また襲ってきた振動の直後、後部座席に座っている陽菜は前の座席の背に両手でしがみつきながら叫んだ。フーちゃんが顔面蒼白になって答える。
「あたしを捕まえに来た追手だわ!あの収容所へ連れ戻すために!」
フーちゃんはさらに素早く、そして若干乱暴に操縦計器を動かした。そして正面の大型パネルに映る光景がまばゆい光だけになった。今までとは比べ物にならない、操縦席全体が渦巻き状に振り回されるような感覚が4人を襲い、そして陽菜は意識を失った。