ヰタ・セクスアリス(vita sexualis)物語
茜はそう言って。ひらひらと右手を振りながら、部屋のドアを静かに閉じた。茜は、ドアの向こうでほっと一息溜息をつく…そして思った、又、今日も言い出す事が出来なかったと。

          ★

「で、さあ、ほんと困っちゃってるんだ」

何時もの悪友が全く困っていない表情で……いや、逆に自慢したいとでも言う表情で純に向かってそう言った。

彼の話しに寄れば、自分は今、二人の女の子に言い寄られているらしいのだが、等の本人はどっちつかずで二股状態になってしまって居るのだそうだ。

「どうしようか……て言っても、純は彼女居ないから、こう言う話題には疎いか」

悪友は勝手にそう決めつけて自分が言いたい事だけを言いたいだけ言って純の前から立ち去った。
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