ヰタ・セクスアリス(vita sexualis)物語
しのぶは純をベッドに座らせると、下着を脱いで自分も裸になる。

そしてふたたび熱いキスを交わして、お互いの存在を確かめ合う。純の唇は喉元から鎖骨の上を通ってしのぶの白い肌をゆっくりと通り乳房を優しく吸った。

「純……」

純の唇の動きにしのぶは自分の身を任せる。

お世辞にも上手とは言えな、純のぎこちない愛撫……しかし、今のしのぶにはそれでも感じる事が出来た。純が居るこの瞬間を。

そして、初々しい純の行為は忘れ去ってしまった昔の事を改めて思いださせてくれた。セックスは感情でする物だと言う事を。純もその事を頭だけでなく体でも理解する事が出来た。

嵐の夜は二人を夢の中に誘って言った。
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