ヰタ・セクスアリス(vita sexualis)物語
「――純……わかった…」
しのぶはそう言って瞳を閉じると、再び純の唇に自分の唇を重ねる。二人は改めて思った、キスがこれ程、心に染みる物だったと言う事を。
虫の音が聞こえ始めた。
嵐は完全に過ぎ去ったのだ。それに合わせて二人の心もゆっくりと晴れて行く、二人はその気配を感じながらゆっくりと眠りについた。純は思った。これでしのぶを迷路の外に連れ出せると……
★
通勤通学時間を避けて純としのぶは何時もの駅で待ち合わせた。
純は一人駅のホームに立ちしのぶが現れるのを待っていた。色々な事が頭に浮かぶ、父親の事、悪友達の事、そしてこれから出くわすであろう現実の厳しさを。
父親には落ち着いたら連絡しよう、先ずは自分達が住まう事が出来る街を探す事が先決だった。
しのぶはそう言って瞳を閉じると、再び純の唇に自分の唇を重ねる。二人は改めて思った、キスがこれ程、心に染みる物だったと言う事を。
虫の音が聞こえ始めた。
嵐は完全に過ぎ去ったのだ。それに合わせて二人の心もゆっくりと晴れて行く、二人はその気配を感じながらゆっくりと眠りについた。純は思った。これでしのぶを迷路の外に連れ出せると……
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通勤通学時間を避けて純としのぶは何時もの駅で待ち合わせた。
純は一人駅のホームに立ちしのぶが現れるのを待っていた。色々な事が頭に浮かぶ、父親の事、悪友達の事、そしてこれから出くわすであろう現実の厳しさを。
父親には落ち着いたら連絡しよう、先ずは自分達が住まう事が出来る街を探す事が先決だった。