ヰタ・セクスアリス(vita sexualis)物語
「さ、起きて、もうお昼よ。寝てても一日、起きてても一日よ。同じ一日なら有意義に暮らそうね」
純は茜に追い立てられてやっとのろのろとベッドから這い出した。
「寝て暮らしたって、有意義だろ……」
純の照れ隠し丸出しの、すねた発言を聞いた茜は笑顔でげんこつを作ると、こつんと純の頭をひっぱたいて見せた。
★
茜と純の父はつい最近、目出度く婚姻届を提出して晴れて夫婦と成った。そして茜は妊娠五カ月目のお腹を抱え、出版社の仕事は一時休職して、純達と暮らし始めたのだ。
年が一回りしか違わない純は茜を母親として意識する事は出来ず、母と言うよりは、姉と言った方がしっくり来る。茜の言動にも母親と言う気負いは全く無く、親子関係としては、まぁこんなものかと言う感覚だった。
純は茜に追い立てられてやっとのろのろとベッドから這い出した。
「寝て暮らしたって、有意義だろ……」
純の照れ隠し丸出しの、すねた発言を聞いた茜は笑顔でげんこつを作ると、こつんと純の頭をひっぱたいて見せた。
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茜と純の父はつい最近、目出度く婚姻届を提出して晴れて夫婦と成った。そして茜は妊娠五カ月目のお腹を抱え、出版社の仕事は一時休職して、純達と暮らし始めたのだ。
年が一回りしか違わない純は茜を母親として意識する事は出来ず、母と言うよりは、姉と言った方がしっくり来る。茜の言動にも母親と言う気負いは全く無く、親子関係としては、まぁこんなものかと言う感覚だった。