ヰタ・セクスアリス(vita sexualis)物語
受験勉強は辛いと言うより、何故と言う疑問の方が大きかった。
これを学ぶことで自分に何が起こるのだろうか……別に数学の公式が分らなくても歴史上の人物の名が分らなくても、それ程困りはしないではないか。数字は四則計算が出来れば何とかなるし、鎌倉幕府が開かれた年代を覚えるより、これからの未来の方が重要ではないか。そんな様々な疑問を感じて居ながらも、結局、知識を頭の中に詰め込んで行く。この詰め込む作業もそうだ。人間知識より知恵が重要ではないか。
夜が更けて煮詰まって来ると、こんな事ばかり考え始める。純は窓の外に目を移しながら、小さく一つ溜息をついた。
控えめに部屋の扉がノックされる音が響く。純は椅子に座ったまま「はい」短く返事をして扉の方に目をやった。
「起きてる、純君……お腹空かない?」
茜の声だった。時刻は既に夜中の一時を回ろうと言う時間だった。
「茜さん、それより、こんな遅くまで起きてたら体に触るんじゃぁ……」
これを学ぶことで自分に何が起こるのだろうか……別に数学の公式が分らなくても歴史上の人物の名が分らなくても、それ程困りはしないではないか。数字は四則計算が出来れば何とかなるし、鎌倉幕府が開かれた年代を覚えるより、これからの未来の方が重要ではないか。そんな様々な疑問を感じて居ながらも、結局、知識を頭の中に詰め込んで行く。この詰め込む作業もそうだ。人間知識より知恵が重要ではないか。
夜が更けて煮詰まって来ると、こんな事ばかり考え始める。純は窓の外に目を移しながら、小さく一つ溜息をついた。
控えめに部屋の扉がノックされる音が響く。純は椅子に座ったまま「はい」短く返事をして扉の方に目をやった。
「起きてる、純君……お腹空かない?」
茜の声だった。時刻は既に夜中の一時を回ろうと言う時間だった。
「茜さん、それより、こんな遅くまで起きてたら体に触るんじゃぁ……」