ヰタ・セクスアリス(vita sexualis)物語
・クラスメート
何時もの悪友達との通学路。
駅を出て学校までは徒歩で十分程の処に有る。駅前は小さな商店街と住宅地が混ざった街並みで、駅を出て直ぐの踏切は、この時間帯は渋滞が酷くて車で通り抜けるにはかなり不便な環境だった。
その日も純達は急行通過待ちで踏切が開くのを他愛の無い噂話をしながら待ち続ける。その背後から女子の三人連れが近付いている事に全く気付く事も無く……
電車が踏切を走り抜ける。
踏切の警報と電車の通過音に全てがかき消され、純達は会話するのを中断した。その時だった。純は突然誰かに手を握られた。反射的に手を握ったと思われる人物の方向に向かって視線を移したが、それと同時に踏切の遮断機上がる。
そして自分の横をフライング気味に駆け抜ける制服姿の少女が一人、眼に飛び込んで来た。
彼女は踏切を渡り始めた人々の中をまるで森林を駆け抜ける小動物の様にかわして雑踏に紛れて姿を消した。栗色のポニーテルで小柄な少女だと言う事意外確認出来なかった……そして手に残されたのは、一通の手紙。
純は何が起こったのか一瞬把握する事が出来ず自分の手に残された手紙と彼女が消えて行った雑踏を交互に見詰め、その場に立ち尽くす。
「純、何だそれ?」
悪友の一人が興味深々、純の手元をみつめている。
駅を出て学校までは徒歩で十分程の処に有る。駅前は小さな商店街と住宅地が混ざった街並みで、駅を出て直ぐの踏切は、この時間帯は渋滞が酷くて車で通り抜けるにはかなり不便な環境だった。
その日も純達は急行通過待ちで踏切が開くのを他愛の無い噂話をしながら待ち続ける。その背後から女子の三人連れが近付いている事に全く気付く事も無く……
電車が踏切を走り抜ける。
踏切の警報と電車の通過音に全てがかき消され、純達は会話するのを中断した。その時だった。純は突然誰かに手を握られた。反射的に手を握ったと思われる人物の方向に向かって視線を移したが、それと同時に踏切の遮断機上がる。
そして自分の横をフライング気味に駆け抜ける制服姿の少女が一人、眼に飛び込んで来た。
彼女は踏切を渡り始めた人々の中をまるで森林を駆け抜ける小動物の様にかわして雑踏に紛れて姿を消した。栗色のポニーテルで小柄な少女だと言う事意外確認出来なかった……そして手に残されたのは、一通の手紙。
純は何が起こったのか一瞬把握する事が出来ず自分の手に残された手紙と彼女が消えて行った雑踏を交互に見詰め、その場に立ち尽くす。
「純、何だそれ?」
悪友の一人が興味深々、純の手元をみつめている。