ヰタ・セクスアリス(vita sexualis)物語
だが、純は保の妙な自信が不安だった。

バイク店からの帰り道、純は保から教習所での話を色々と聞いたのだが、どうやら保は筋が良いって言う事で結構成績優秀だったらしい。延長も無しで卒業検定も一発合格筆記試験も満点に近い点数だったらしくそれがこの自信のバックボーンになっている

…らしい。

しかし、一般公道は生き物だと言われてる。そこで教習所の成績なんか通用するものかと言う漠然とした不安。純は自室の机の前で椅子に座り頭の後ろで手を組んで天井を見詰めながらじっと深く考え込んだ。

…こんこん

暫くして部屋のドアがノックされる音が部屋の中に響く。それに気が付いて純は「はい」と短く返事をする。同時にドアがちょっとだけ開かれて茜がにゅっと顔だけ覗かせる。

「純君、御飯よ」

茜の笑顔を見て純は椅子から立ち上がるとドアの方に向かって歩き出した。そして茜と視線が合った瞬間…

「何か悩んでる…」

茜が唐突にそう言った。
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