空しか、見えない
 ハッチのメンバーは、中学3年の夏に、遠泳のためのバディ、つまりチームを組んだ。それからは、ことあるごとに顔を合わせた。卒業後も何かと理由を見つけは集まってきた。義朝が、よく幹事役を務めてくれた。

「電話をしたのは、まだ佐千子が最初なんだけど」

「いいよ。手分けしよう。私も千夏と同じように思うよ」

 佐千子はテーブルに向かって、メンバーの名前を書き始めた。
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