空しか、見えない
「千夏を乗せた高速バスが、もうじき着くらしいよ。地図にあるかな、そうそう、ここだ、道の駅だって。それでさ」

 地図を確認した純一が、アクセルペダルを踏んで、ハンドルを切る。

「それで、何?」

 佐千子は、思わず身を乗り出し、訊ねた。

「うん。サセ、いや、みんなだって驚くと思うけど、千夏、のぞむと一緒らしいんだ」
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