空しか、見えない
「なんだ、のぞむ、帰国してたのね?」

 マリカが、軽い調子でそう返事をしてくれたのが、佐千子には救いに思えた。
 だからなのか、と佐千子には納得がいった。昨夜の電話も、千夏の遅刻も、だからなのか、と。
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