空しか、見えない
 昨夜からふたりきりで朝までいたわけだ。
 のぞむはもう、自分の男でもないのだからどうでもいいような気もするけれど、佐千子の頭の中はすっかり混乱し、先ほどまでの同級生たちとの懐かしさを分かち合う気持ちは、一気に萎んでいくようだった。
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