空しか、見えない
 雨足は、ますます強くなっていくようだ。
 高速バスのタイヤが、雨を跳ね返しながら道の駅の前へと滑り込んできた。
 窓に顔をつけて、赤いコートを着た千夏が、こちらに向けて手を振っている。
< 125 / 700 >

この作品をシェア

pagetop