空しか、見えない
 同窓会に出なくなったのを心配して、電話をかけてきてくれたのも、義朝だった。
「のぞむの奴が理由ならさ、あいつは、どうせ来ないんだから」と、言って、次のときには誘い出してくれた。

「ひとりを除けば、連絡先も、みんなまだわかるよ」

 佐千子は、メモに書き連ねた、一人ひとりの顔を思い浮かべながら、呟く。
 千夏は、電話の向こうで苦笑しているらしい。

「じゃあ、そのひとりは、私が追いかけるね。だったらサセ、フーちゃんと、他男子ふたりをお願いできる? フーちゃんなんかと話したら、私、一緒になって、だめだと思う」
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