空しか、見えない
「畳もあの頃のままなのかな。いや、そんなわけないか。もう10年だもんな」

 純一の独り言に、ご主人は笑う。

「そうだね、畳はもう何回張り替えたかわからないね。だいたいほら、君たちみたいなやんちゃ盛りばかりが来たわけだから、畳はあっという間だったよ。いまはずいぶん遠泳する学校も減ったけどね」
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