空しか、見えない
「やった、やった」

 純一までそう言って、手を叩いて笑っている。
 飛び上がらなかったのは、のぞむと佐千子だけだった。
 白けた空気が流れてしまう。

「じゃあ、2階行きますか」

 環がそう言って、皆でぞろぞろと階段を上がった。
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