空しか、見えない
「さっきまで、まだ雨が降っていなかったからさ。サーファーがたくさんいたよ」

「そう」

 のぞむは、環の作ったしおりのページをめくり始める。
 運ばれてきたビールで乾杯すると、マリカが唇の上についた泡を舌で舐めながら、言い出す。

「じゃあ、お約束の近況から、始める? 誰から行く」
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