空しか、見えない
「待った、待った。せっかくのマドレーヌのご好意が台無しになっちゃうじゃないの。次、誰もいないなら、私が行くわよ」

 マリカがそう言って、唇の周りについたお菓子のくずを指先で払い、肩をすくめた。
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