空しか、見えない
「そんなんじゃない。今度、みんなには改めて紹介するよ。ずっとピアノばっかりやっていた子だから、まあ世間知らずのところもあるだろうし、妙に大人びたところもあるかな」

 フーちゃんが、長いため息をはいた。無意識なのか、テーブルに置いてあった眼鏡をまたかけてしまった。
 「ショック」と、小声で呟いた。
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