空しか、見えない
 どうあれ、一番乗りが純一だ。改めてみんなからどこか甘やかなため息がこぼれる。

「その後も、俺パス」

 環が先ほどののぞむの真似をする。

「じゃあ、俺?」

 いつの間にか身を起こして舟盛りに箸を伸ばしていたのぞむが、天井に向かって伸びをする。
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