空しか、見えない
「その子はね、ねえ、のぞむ、私が言っていいの? それよりあんた、ちゃんと自分で話しなさいよ」

 千夏が、少し怒ったように彼に喰ってかかった。

「何だよ、のぞむ」

 環が自分のグラスにビールをつぎたす。
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