空しか、見えない
「わかってるよ。お前、相変わらず、生真面目だな」

 のぞむが言い終わらないうちに、環がのぞむの革ジャンの胸ぐらを掴む。

「その言い方なんだよ」

「だって、そうだろう? さっきから何が気に入らないのか、ずっと俺に喰ってかかってるだろう?」
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