空しか、見えない
「葬儀って、マジかよ。俺、行きたくねえよ」
言っても仕方がないことを口にするのが、昔から環だった。
「期末、マジむかつく」とか、「俺、クラス替え無理」とか言っては、義朝に「まあまあ」と、なだめられていた。
「サセ、俺らさ、葬儀もいいけど、そこ、みんなで行くっていうのは、どう思う?」
純一が、突然そう切り出した。
もう社会人なんだからその呼び名は止してくれと言いたかったけれど、佐千子は飲み込む。
「そこって、岩井のこと?」
「俺も賛成する。その方が、義朝らしくねえか」と、環も続いた。
言っても仕方がないことを口にするのが、昔から環だった。
「期末、マジむかつく」とか、「俺、クラス替え無理」とか言っては、義朝に「まあまあ」と、なだめられていた。
「サセ、俺らさ、葬儀もいいけど、そこ、みんなで行くっていうのは、どう思う?」
純一が、突然そう切り出した。
もう社会人なんだからその呼び名は止してくれと言いたかったけれど、佐千子は飲み込む。
「そこって、岩井のこと?」
「俺も賛成する。その方が、義朝らしくねえか」と、環も続いた。