空しか、見えない
「お前のことなんかな、いまに始まったわけじゃねえよ、ずっと昔から気に入らないんだよ」

 どちらが先がわからないが、ふたりの拳が相手の顔に刺さり、そのうちくんずほぐれつし始めた。

「あっちに。急いでずらさなきゃ」

 マリカと純一がふたりでテーブルを持ち上げ、襖を開けて、隣の畳の間へと運んでいく。
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