空しか、見えない
指を差しながら、父にそんな思い出を伝える。佐千子が遠泳なんかしていた頃は、父は仕事が忙しくて、学校行事について聞いてもらう余裕なんてなかった。
「男子もふんどしじゃないのか。遠泳と言えば、ふんどしだぞ」
まだ赤ふんの余韻に浸っているくらいだから、父にとっても遠泳にはそれなりの思い出があるのだろう。
写真の中の仲間たちは、それぞれに自分のチーム名と番号、名前を書いたおしゃもじをぶら下げ、にかっと笑っている。
「男子もふんどしじゃないのか。遠泳と言えば、ふんどしだぞ」
まだ赤ふんの余韻に浸っているくらいだから、父にとっても遠泳にはそれなりの思い出があるのだろう。
写真の中の仲間たちは、それぞれに自分のチーム名と番号、名前を書いたおしゃもじをぶら下げ、にかっと笑っている。