空しか、見えない
「こいつ、どうしてもみんなを起こすっていうんだよ」

 みんなが戸惑う様子に、赤ら顔の環はのぞむを指差す。のぞむは、まるで先ほどの話のようにえへらえへらしている。

「星見に行こう」

 窓へ視線を移すと、先ほどまでの嵐は嘘のように去り、星が瞬いていた。
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