空しか、見えない
 7人で毛布をかぶって肩を寄せ合っているうちに、のぞむは眠り始めたようだった。まるで安心したような顔をして、佐千子の肩に頭をのせていた。
 止まり木で身を寄せ合う鳥たちは、よく羽を膨らませて震えて見えるけれど、本当はきっと温かいのだとマリカは思った。佐千子の隣にはのぞむ、その隣に千夏、環、フーちゃん、マリカ、純一。互いの温もりが伝わり合う。空から、義朝の声が響いてきそうな気がしていたのは、きっと、みんな同じだったろう。
 心が解けていく。いつもは、ひとりきりでがんばっているような気がしているけれど、仲間がある安らぎはかけがえがない。
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