空しか、見えない
 何が、足りないのだろう。

「ガッツかな」

 思わず天井を向いたままそう呟くと、佐千子はおもむろに、ベッドから体を起こした。体は疲れていたけれど、目を擦ると、テーブルの上にノートパソコンを開き、起動するのを待った。
 会社でようやく使いこなせるようになったレイアウトのできる新しいソフトを立ち上げる。
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