空しか、見えない
 入れ替わり立ち替わり、人が入ってきた。
 電話機を渡されたので、仕事先に連絡を入れるのを、ルーがまたそばで聞いている。
 のぞむは、必死に説明するが、電話の向こうのマネージャーは、舌打ちしている。

「だから、休暇は認めなられないって言ったはずだろう? まったく、どうやって穴を埋めろって言うんだよ? もう少しの間だけでも、何とかならないのかよ」

 マネージャーは寝ていたのかもしれない。俺だってすぐに出ていきたいよと思いながらも、のぞむはひたすら謝るしかない。
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