空しか、見えない
「一応、返信は出しておいた。また、返事が来るかもしれない」
「佐千子、相変わらず真面目だね。答えなんてもう、どっちかしかないんじゃないの? もうのぞむはやめる、または、取り返す。どうすんの? 世の中には他にも男はたくさんいんのよ」
佐千子は、しばらく千夏の顔を見ていた。素肌の上で、水滴が弾いていた。色白で、相変わらず童顔だ。睫毛パーマは、こうやって素顔で泳ぐためにかけたのかな。ひとりだけ、ずるいじゃないか。
佐千子は、返事をせずにまた泳ぎ出した。
「佐千子、相変わらず真面目だね。答えなんてもう、どっちかしかないんじゃないの? もうのぞむはやめる、または、取り返す。どうすんの? 世の中には他にも男はたくさんいんのよ」
佐千子は、しばらく千夏の顔を見ていた。素肌の上で、水滴が弾いていた。色白で、相変わらず童顔だ。睫毛パーマは、こうやって素顔で泳ぐためにかけたのかな。ひとりだけ、ずるいじゃないか。
佐千子は、返事をせずにまた泳ぎ出した。