空しか、見えない
「私には、少しわかるような気がしますよ。彼も、ええ、義朝さんもいつも皆さんのことを心からうれしそうに話していて、やっぱり羨ましかったっていうか。何ていうか私、こんな日が来るなんて、思っていなかったんですよ」
乾いた布でグラスを磨きながら、そう言う。
「こんな日って?」
環が、はじめて話の輪に加わった。
「こうやって皆さんに会える日です。義朝さん、誰もここには連れてきてくれなかったから、本当はこんな風に私が会ってよかったのかどうかも、わからないんです」
「義朝、照れ屋だったからね」
純一がごく自然にそう笑いかけた。
乾いた布でグラスを磨きながら、そう言う。
「こんな日って?」
環が、はじめて話の輪に加わった。
「こうやって皆さんに会える日です。義朝さん、誰もここには連れてきてくれなかったから、本当はこんな風に私が会ってよかったのかどうかも、わからないんです」
「義朝、照れ屋だったからね」
純一がごく自然にそう笑いかけた。