空しか、見えない
「だけど確かに、変な仲間たちだよな。だいたい名前がさ」
環が呟くと、まゆみは肩で笑った。
「ええ、本当に、おしゃもじハッチなんて、はじめて耳にしたときには、えっ? って聞き返しちゃいましたから」
千夏は今ここに義朝がいるような気がして、仕方なかった。思えば自分も、彼氏ができてもこれまで誰のこともハッチのメンバーに紹介したりしていない。サセにだけは夜中に聞いてもらったのだが。
家族に紹介するのと同じように、いつか本当に大切な人が現れたら、ハッチのメンバーに会ってもらおうと考えていた。みんなの仲間にしてもらおう、と。それには、ハッチのメンバーに馴染んでくれる人がいいと思っていたはずなのに、そんな人を選んだ試しがなかった気もする。
きっと今頃、天国の義朝は目尻を垂らして笑っているに違いない。義朝の彼女は、こんなに自然にみんなに打ち解けているのだから。
環が呟くと、まゆみは肩で笑った。
「ええ、本当に、おしゃもじハッチなんて、はじめて耳にしたときには、えっ? って聞き返しちゃいましたから」
千夏は今ここに義朝がいるような気がして、仕方なかった。思えば自分も、彼氏ができてもこれまで誰のこともハッチのメンバーに紹介したりしていない。サセにだけは夜中に聞いてもらったのだが。
家族に紹介するのと同じように、いつか本当に大切な人が現れたら、ハッチのメンバーに会ってもらおうと考えていた。みんなの仲間にしてもらおう、と。それには、ハッチのメンバーに馴染んでくれる人がいいと思っていたはずなのに、そんな人を選んだ試しがなかった気もする。
きっと今頃、天国の義朝は目尻を垂らして笑っているに違いない。義朝の彼女は、こんなに自然にみんなに打ち解けているのだから。