空しか、見えない
「サセ、のぞむはもう退院したんでしょ?」
ようやくフーちゃんが、サセにそう質問した。
ノースリーブのシャツにパンツを着たサセは、黙って頷く。
「本当は、入院したのも私たちに伝える気がなかったみたい。知らせたくなかったらしいよ。でも一応、新聞に書いた通り、のぞむは退院した。しばらくは、お酒は飲めないそうです」
「遠泳は?」と、純一がひと言訊ねる。
「メールには、何も書いていなかったけど、私、一応調べたの。会社の専任のドクターに訊いたら、体力が回復したら、泳ぐくらいはむしろした方がいいって。遠泳となるとちょっと厳しいかもしれないけど、プールでゆっくり泳ぐのはお勧めだって。それ、メールで伝えたんだけど、向こうからは、わかった、努力するって、返事が来ただけ。相変わらずです」
みんながほぼ同時に首を横に振った。
ようやくフーちゃんが、サセにそう質問した。
ノースリーブのシャツにパンツを着たサセは、黙って頷く。
「本当は、入院したのも私たちに伝える気がなかったみたい。知らせたくなかったらしいよ。でも一応、新聞に書いた通り、のぞむは退院した。しばらくは、お酒は飲めないそうです」
「遠泳は?」と、純一がひと言訊ねる。
「メールには、何も書いていなかったけど、私、一応調べたの。会社の専任のドクターに訊いたら、体力が回復したら、泳ぐくらいはむしろした方がいいって。遠泳となるとちょっと厳しいかもしれないけど、プールでゆっくり泳ぐのはお勧めだって。それ、メールで伝えたんだけど、向こうからは、わかった、努力するって、返事が来ただけ。相変わらずです」
みんながほぼ同時に首を横に振った。