空しか、見えない
 サセが、言葉尻を捕まえる。

「そう? 私は、うれしかったな。だから、もうじき皆さんに届く、サセ新聞の表紙にしてしまいました。どーんと大きく。そうだ、まゆみさんにも読んでもらおうかな。送っていいですか?」

 サセの問いかけに、まゆみは頷く。

「もちろん。うれしいわ」

「ねえ、それより、まゆみさんも遠泳に参加するっていうのは、どう? 義朝の代わりにさ」

 環が言い出したのを、皆がそれはいいとばかりに拍手した。
< 509 / 700 >

この作品をシェア

pagetop