空しか、見えない
ルーが自分のiPhoneを使ってサチと連絡を取り合ったのを知ったのは、まだ入院中のときだった。仕事のメールなど来ているかもしれないし、点滴をぶら下げたままなら中庭くらいまでは行っても良いと看護師に言われ、ルーにiPhoneを持ってきてもらうよう頼んだのだ。
「OK,でものぞむは、きっと驚くと思うよ。そのiPhoneにあなたの知らない、メールのやり取りが残っているから」
ルーは隠し立てする様子もなく、屈託なくそう言った。
「やり取りって、何のこと?」
それが、サチとのやり取りを指すとは、まるで想像がつかなかった。大体、ルーには、サチという名を伝えた覚えもない。
ただ自分には日本に好きな相手がいて、置いてきぼりのまま年月が過ぎてしまったこと。こちらの仕事がうまくいったら、堂々と迎えに行くはずだったのに、今のままでは迎えに行くどころか、帰るにもままならないと、伝えてきた。
自分の恋愛話もあまりしなかったし、ルーの話もきかなかった。でも、ニューヨークでルーに会うまでの話はした。
「OK,でものぞむは、きっと驚くと思うよ。そのiPhoneにあなたの知らない、メールのやり取りが残っているから」
ルーは隠し立てする様子もなく、屈託なくそう言った。
「やり取りって、何のこと?」
それが、サチとのやり取りを指すとは、まるで想像がつかなかった。大体、ルーには、サチという名を伝えた覚えもない。
ただ自分には日本に好きな相手がいて、置いてきぼりのまま年月が過ぎてしまったこと。こちらの仕事がうまくいったら、堂々と迎えに行くはずだったのに、今のままでは迎えに行くどころか、帰るにもままならないと、伝えてきた。
自分の恋愛話もあまりしなかったし、ルーの話もきかなかった。でも、ニューヨークでルーに会うまでの話はした。