空しか、見えない
佐千子にも訊いてみたが、
「とりあえずジンジャーエールに」
と、穏やかではない。
「ねえ、何だかみんな陰気な感じよ。特にそっちの男たちはふたりとも」
千夏の声に、隣の環は深々とため息をついた。革のジャンパーがきしむ音を立てた。
「ほら、だから、直接、自分で言った方がいいよ」
顔も上げずに、環は純一に向かってそう言った。純一は、頷く。
「今日は、これで全部だよね」
佐千子の方を見て、確認している。
「みんなに集まってもらって、ごめん。俺、サセと環にはもう伝えたんだけど、遠泳、行けなくなった」
「ひえーっ」
芙佐絵は、そう叫ぶと自分の手で口元を押さえた。
「とりあえずジンジャーエールに」
と、穏やかではない。
「ねえ、何だかみんな陰気な感じよ。特にそっちの男たちはふたりとも」
千夏の声に、隣の環は深々とため息をついた。革のジャンパーがきしむ音を立てた。
「ほら、だから、直接、自分で言った方がいいよ」
顔も上げずに、環は純一に向かってそう言った。純一は、頷く。
「今日は、これで全部だよね」
佐千子の方を見て、確認している。
「みんなに集まってもらって、ごめん。俺、サセと環にはもう伝えたんだけど、遠泳、行けなくなった」
「ひえーっ」
芙佐絵は、そう叫ぶと自分の手で口元を押さえた。