空しか、見えない
 佐々木義朝。「名字があまりに平凡だから、親父がインパクトのある名前を付けちゃって、まるでもって俺、名前負けです」、と中学生だった本人は、自己紹介のときに、ネタのようにそう言った。
 千夏同様に、中学高校と一緒だった同窓生のひとりだ。思い出ならたくさんある。
 突然の訃報を、とてもすぐには受け止められなかった。
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