空しか、見えない
「だめだよ、まるで信じられない」

 佐千子がそう口にすると、千夏が声を重ねてきた。

「私もそうだった。つい5分くらい前にはね。だけどお母さんが電話をくれたから、それでできることはしようと思った」

「どうしたらいい? 他にも誰か電話をするなら、私も手伝う」

 千夏から、幾つかの報告を受けた。高校の同窓会の幹事が、登録されてある人たちのメールアドレスには、必要な連絡を回す約束だという。
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