愛してるが言えなくて
圭輔は立ち上がり帰る用意をしていた。
私を片手で抱き締めながら用意してるから、
全然進まない。
『圭輔〜早く帰ろうよ!眠たくて死にそうだよ!!』
私がそう言うと、圭輔は目を丸くして
『はぁ?もしかして愛美、寝てねぇの?』
すごい驚いた声を出している。
『…当たり前でしょ!?誰のせいだと思ってんの?梨花さんだって、きっと寝てないのに、わざわざ家まで来てくれて、ここまで連れてきてもらったんだから!!!!バカ!!!!』
思わず大声を出してしまった。
圭輔は反論するかと思ったら、
やけにニヤニヤして、
『俺って愛されてるね』
そう言った。
(・・・愛されてる?私が圭輔を愛してる・・?)
圭輔が言った何気無い言葉が耳にくっついて離れなくなった。
私の中に【愛】が芽生えた、愛を知った瞬間だった。