愛してるが言えなくて
─ピリリリリ〜ン─
圭輔のスーツのジャケットから携帯が鳴り響いた。
『…圭輔、電話鳴ってるよぉ?』
『チェッ、なんだよ…』
圭輔が私から離れて、私に布団を掛けてから
ベッドから降りて電話に出た。
『…もしもし?あ〜お疲れさまです・・・昨日?ああ、それなら・・・』
どうやら仕事の話みたいだった。
圭輔は寝室を出てリビングへ行った。
(はぁ…)
布団に包まれたら急に睡魔に襲われて、
気が付いたら眠ってしまっていた。
『…愛美?おい、起きないと仕事遅れるぞ!!』
圭輔の声でビックリして飛び起きた。
すごく眠ってしまったような気がしたけれど、
1時間半くらいしか寝ていなかった。
『仕事、間に合うのか?』
圭輔に言われて、シャワーを浴びに向かう。