愛してるが言えなくて
『愛美ぃ〜おはよぉ〜』
15分くらい経って梨花さんがロッカーに入ってきた。
私は化粧を仕上げて目の下に出来ていたクマを隠した。
梨花さんは着いてすぐなのに、煙草が吸いたいと非常階段へ向かった。
私も梨花さんの後を追った。
煙草に火をつけて、手すりにもたれる梨花さんは
いつ見ても綺麗だと思った。
『梨花さん、今日は本当にありがとうございました…梨花さん、洸太さんと一緒にいたんですよね?なのに来てくれて…嬉しかったです』
『……えっ?なんで…』
突然話し掛けた私に梨花さんが驚いた顔をした。
『だってぇ梨花さん、家に来てくれた時、昨日と同じ服だったじゃないですかぁ』
『あっ!!』
(…もしかして自分で気付いてなかったのかな?)
おかしくて笑えてくる。