愛してるが言えなくて


店に戻るとお客さんでいっぱいになっていた。


私も梨花さんも指名のお客さんがたくさん来ていて、

結局、ラストまで梨花さんと話せずにいた。





最後のお客さんを見送った後、

誰もいない店内で梨花さんの姿を探す。



『梨花さん、お疲れ様です』


梨花さんは客席のソファでくたびれていた。



『愛美も今日は頑張ったね〜お疲れさん』



ニコっと笑う笑顔の下には疲労が見えていた。



『あの、梨花さん…今日…』


少し躊躇いながらも話がしたい事を伝えようと思ったら、



『いいよ、話は今度で!今日は二人とも早く帰って寝よ?』


梨花さんに途中で遮られる。



『…そうですね』



(梨花さん…私が洸太さんとの事を聞きたがってると思ってるんだ…まぁ今日は確かにクタクタだし、帰って寝よう…)


『梨花さん、今日は本当にお疲れ様でしたぁ』



私は梨花さんより先に店を出た。


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