愛してるが言えなくて
しばらく席の前で呆然と立ち尽くしていると、
『愛美?久しぶりだね、驚いたかい?』
相変わらずの冷めた口調でそう言うと、
真田さんは私を隣に座らせた。
『今更、何しに来たの?なんで此処にいること知ってるの?』
私は、周りのテーブルに聞こえないように
小さい声で話していた。
『愛美は4年も一緒にいたのに僕のことがわかってないのかい?僕にわからない事なんて無いんだよ』
不敵な嫌な笑みを浮かべる真田さんに、
背筋が氷つくような気がした。
『愛美、君と離れて気付いたんだ…僕は君がいなきゃ駄目みたいだ。また前みたいに暮らそう』
『何勝手なこと言ってるの?そんなの無理に決まってるでしょ?私は今…』
ポンっと私の膝に白い封筒が真田さんの手から落ちてきた。