愛してるが言えなくて
『お願いだから、もう来ないで…私の邪魔しないで』
体がガタガタと震えていた。
やっと幸せになれると思っていたのに…
やっと心から愛せる人に出会えたと思っていたのに…
(圭輔…)
頭の中が真っ暗になって、圭輔の笑顔だけが浮かんでは消えた。
『─愛美、来週また来るから…それまでに答えを出しておきなさい。君には僕しかいないって事を忘れないようにね』
席を立つ真田さんの後ろをついて歩く。
お金の入った白い封筒は、私の手に握られたままだった。
《ありがとうございました》
エレベーターの前で、
私の代わりに店長が頭を下げた。
私の顔色を見て、状況を把握したような店長は
『愛美、今日は上がっていいぞ。体調整えて明日から出勤してこい。』
そう行ってロッカーまで肩を支えてくれた。
…吐きそう。