愛してるが言えなくて


最悪の気分だった。


何も考えられない。






─ガチャ─



『愛美?』


ロッカーに入ると、梨花さんがいた。




『今日…気分悪いんでもう帰ります…すいません誘っておいて…』



白い封筒を鞄に詰め込み、帰りの支度をしながら小さい声で言った。



『愛美?どうしたの?…あの人、誰?』



梨花さんからは精一杯に気を遣ってくれてるのが感じられた。



『あの人が来た事、圭輔には黙っててください』



それだけ言ってロッカーを出た。



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