愛してるが言えなくて


ドキドキしながら非常階段に向かった。



その人は、外を眺めながら煙草を吸っていた。


長い髪が風になびいている。



(………き、綺麗)




しばらく見とれるくらい梨花さんは綺麗な人だった。


『あ…あの、ボーイさん達が呼んでますけど』



私に気付いて梨花さんがこっちを見た。



『あぁ…ありがとう』


煙草を消して、またこっちを見て


『…あなたは?』


見とれて自己紹介し忘れていた。


『あっ、愛美です。初めまして…』


< 41 / 148 >

この作品をシェア

pagetop