愛してるが言えなくて
梨花さんが圭輔さんに電話してくれた。
地元で遊んでたみたいだったけど、
私がいるって言ったら、来るって言ったみたいだった。
(やっぱ泊まるなんて冗談だったのかな?)
居酒屋について、いつものメニューを注文する。
私達は毎日ここに来ていたから常連になっていた。
人と食事をする事が幸せだと思うようになった。
『落ち着きますよね、ここ。家にいるみたいで。』
家族と幸せな夕食をした事がない私には、
いつも同じ場所で同じ人と食事をするって事が家だと思っていた。
梨花さんは不思議な顔をしたけど、
私が呟いた言葉に返事はしなかった。